2026/5/15 哲学対話を開催しました
5月15日(金)、本と文化コギトにて6回目の哲学対話を開催しました。
当日は、主催者の私を含めて5名での開催となりました。初めて参加してくださった方が2名、継続して参加してくださっている方が2名。いつもより少人数でしたが、その分、一人ひとりのお話をじっくりと聞くことができる、とても豊かな時間となりました。
今回も最初は「問いだし」から始まりました。
参加者の皆さんからは、
・問いとは何か?
・自分の理想の在り方ってどうすれば見つかるの?
・なぜ人はイライラしてしまうのか?
・なぜ人は他人がうらやましく感じるのか?
といった問いが出されました。
問いを出している最中から、「それってどういうこと?」「私はこう思う」と自然と対話が始まります。
毎回感じることですが、一見するとバラバラに見える問いも、どこかでつながっているように思えるから不思議です。
そして今回は、多数決の結果、
「自分の理想の在り方ってどうすれば見つかるの?」
というテーマで対話を行うことになりました。
やりたいことがたくさんある
まず、この問いを出した方に、なぜこのテーマを選んだのかを話してもらいました。
その方は、
「自分はやりたいことがたくさんある。新しいことに挑戦すると人とのつながりが生まれ、頼られることもあり、充実感も感じる。でも2〜3年すると別のことに興味が移ってしまう。自分の気持ちに正直に次へ進むべきなのか、それとも今いる場所で頑張り続けるべきなのか。いつも宙ぶらりんのような気持ちになる」
と話してくださいました。
その話を聞きながら、「わかるなあ」とうなずいていた人も多かったように思います。
対話が進む中で、
「そもそも『在り方』って何だろう?」
という問いも出されました。
参加者からは、
「生き方のことではないか」
「人生の目標のようなものではないか」
「働き方も含まれていると思う」
「使命やミッションのようなものではないか」
など、さまざまな意見が出されました。
私たちは普段、同じ言葉を使っていても、その言葉に込めている意味は案外違うのかもしれません。
そんなことに気づかされるのも、哲学対話の面白さです。
理想の自分になれなくても
また、ある参加者の方のお話も印象的でした。
その方には、子どもの頃からずっと憧れていた職業がありました。
「いつか自分はその仕事に就くものだ」と信じていましたが、現実はそうならず、何度挑戦しても叶いませんでした。
当時は悔しくて仕方がなく、その思いを長く引きずっていたそうです。
しかし今は別の仕事に就き、家族を持ち、幸せな暮らしを送っています。
そして今では、
「あの時、思い通りにならなかったからこそ、今の人生がある」
と思えるようになったそうです。
その話を聞きながら、私自身も若い頃に思い描いていた理想の自分や、うまくいかなかった経験を思い出していました。
理想の自分になれなかったこと。
夢が叶わなかったこと。
当時は失敗だと思っていた出来事が、時間を経て振り返ると、自分の人生を形づくる大切な出来事だったように感じられることがあります。
理想の在り方とは、どこか遠くにある完成形を見つけることではなく、今の自分やこれまで歩いてきた道を少しずつ受け入れていくことなのかもしれません。
理想的な人はいますか?
対話の終盤には、
「身近に理想の在り方を体現している人はいますか?」
という話題になりました。
自分とは正反対の性格の人に憧れるという方。
おじいさんの生き方が理想だという方。
お母さんの優しさに憧れているという方。
それぞれが、自分の中にある価値観や大切にしているものを語ってくださいました。
誰の在り方や生き方が理想だと思うかというのは、本当に人それぞれだと実感しました。
普段の生活ではなかなか話すことのない、自分自身の奥深い部分について語り合えるのも哲学対話の魅力だと感じます。
さいごに
今回は少人数での開催でしたが、その分、一人ひとりの話をじっくり掘り下げることができました。
大人数の哲学対話には、多様な意見が飛び交う「横の広がり」があります。
一方で少人数の哲学対話には、一つの話題を深く掘り下げていく「縦の深さ」があります。
どちらにも、それぞれの面白さがあります。
今回も参加者の皆さんから、
「楽しかった」
「参加して良かった」
「また来たい」
という言葉をいただきました。
私自身も、対話を通して新しい気づきを得たり、自分の中に眠っていた思い出や感情を言葉にしたりすることができるので、毎回楽しみにしています。
参加してくださった皆さま、本当にありがとうございました。
そして、参加しようか迷っている方も、ぜひ一度気軽に足を運んでみてください。
正解を見つける場所ではありません。
誰かと一緒に問いを囲みながら、自分の考えをゆっくり確かめていく場所です。
また次回の哲学対話でお会いできることを楽しみにしています。


コメント