2026/5/22 哲学対話を開催しました
5月22日(金)、本と文化コギトにて7回目の哲学対話を開催しました。
当日は主催者の私を含めて9名での開催となりました。初めて参加してくださった方が2名、継続して参加してくださっている方が6名です。
今回もさまざまな意見や経験が語られ、参加者それぞれが自分自身の人生を振り返るような時間となりました。
今回のテーマを決めるために、まずは恒例の「問いだし」から始めました。
参加者の皆さんからは、
・人生は楽しめてますか?
・どんなことを面白いと感じるか?
・恥ずかしいとは何か?
・人生の目的は何か?
・年を取ると人は挑戦できなくなるのか?
・これからチャレンジしたいことはありますか?
・何かを乗り越えた経験はありますか?
・「意識的に生きる」とは何か?
といった問いが出されました。
私は毎回、この問いだしの時間が好きです。
なぜなら、どの問いにも、その人の今の関心や悩み、人生の経験がにじみ出ているように感じるからです。
そして今回は、多数決の結果、
「人生は楽しめてますか?」
というテーマで対話を行うことになりました。
人生は楽しいことばかり
テーマを出した方は、こんなお話をしてくださいました。
知り合いの高齢の方が、長年絵を描いていたそうです。
ただ、その絵は家族からもあまり注目されることなく、本人も特別評価されることを求めていたわけではありませんでした。
そんなある日、テーマを出してくださった参加者の方が
「この絵は絶対にグッズ化した方がいい」
と提案し、実際に作品を使ったグッズを作ってみたそうです。
すると、それが好評で、家族もその方の絵を改めて見つめ直すようになりました。
そして、その方は今も、
「人生は楽しいことばかりで幸せだ」
と話しているそうです。
自分の人生とは
その話を聞きながら、
年齢を重ねても人生を楽しみ続けるとはどういうことなのだろう。
そんな問いが自然と場に広がっていきました。
対話の中で印象的だったのは、
「人生を楽しめるのは、自分だけの力ではないのかもしれない」
という話でした。
ある参加者の方は、
家族が体調を崩した時、自分自身もとても苦しかったと話してくださいました。
そして、
「家族が元気だからこそ、自分も人生を楽しめていることに気づいた」
と言われました。
さらに、
「自分の人生に、人がいてくれることの大切さに気づいた」
とも話されました。
人生は自分一人のもの。
そう考えがちですが、実際には家族や友人、職場の仲間など、さまざまな人との関係の中で成り立っています。
もしかすると人生の楽しさとは、自分自身の中だけにあるのではなく、自分以外の存在とのつながりの中に生まれるものなのかもしれません。
小さな幸せに目を向けて
また、別の参加者からはこんなお話もありました。
「若い頃は、成功したい、有名になりたい、認められたいと思っていた。でも年齢を重ねるにつれて、日々の暮らしの中にある小さな幸せを探すようになった」
その言葉は私自身にも深く響きました。
そこで、私から
「なぜ人は年齢を重ねると、小さな幸せに気づけるようになるのだろう?」
という問いを投げかけてみました。
すると、
「人は成熟するほど若くなる」
という作家の言葉を紹介してくださった方がいました。
成熟するからこそ、当たり前の日常や些細な出来事に心が動くようになる。
そんな考え方に、場の多くの人がうなずいていました。
その後も、
「旅で覚えているのは、予定通りにいったことより道に迷った記憶」
「人はトラブルがあるから喜びを感じられる」
「マンネリは永遠のテーマ」
「親しい人の死を経験してから、やりたいことには飛び込むようになった」
「猫を飼い始めてから生活リズムが整った。猫のおかげで人間になれた気がする」
「やりたいことを書き留めたノートを作っている。迷った時に見ると、自分の楽しみに立ち返れる」
など、本当にさまざまな意見が語られました。
参加者の皆さんが出して下さった、どの意見も否定されることなく、それぞれが深く聞き入っていたように感じます。
正解を探すのではなく、それぞれの人生を持ち寄りながら考え続けること。
哲学対話の魅力は、まさにそこにあるように思います。
さいごに
最後に、とても印象に残った言葉があります。
「人生は当然しんどいものだと思う。苦しいことも辛いこともたくさんある。でも、その中で楽しさを探したい」
私はその言葉にとても共感しました。
人生には思い通りにならないことがたくさんあります。
苦しいことや悲しいこともあります。
それでも、
誰かと笑ったり、
動物と触れ合ってみたり、
好きな本を読んだり、
夢中になれる趣味に出会ったり、
誰かの役に立てたり。
そんな時間が確かに存在しています。
人生を楽しむというのは、苦しさがなくなることではなく、その中にある小さな喜びを見つけ続けることなのかもしれません。
私自身も、頭と身体を動かしながら、そんな時間を探していきたいと思います。
そして願わくば、コギトや哲学対話が、皆さんにとってそんな時間の一つであれたら嬉しいです。
今回もご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
また次回の哲学対話でお会いできることを楽しみにしています。


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